念入りなストレッチとウォーミングアップをしながら、あたしの視線は体育館の反対側、バスケ部へと注いでしまう。


バド部よりも人数多く、歓声が響くバスケ部。

天井から吊り下げられたネットが体育館のちょうど真ん中を仕切って、片面がバド部、もう片面がバスケ部という形で使用されてる。


体育館の反面全部を使ったバスケコート内を右から左へと駆け抜けるバスケ部の持久力はすごいと思う。


普段なら卓球部があたしたちの反面を使用してるのに、今日はどうやらバスケ部みたい。


ぼけーっとその様子を見てたら、どこからともなくバスケットボールが飛んで来た。

真ん中で区切られたネットがそれを絡めとり、ネット側にいるあたしの隣に落ちた。


「珍しいじゃん」


そう言いながらバスケットボールを掴んだのは、星野くん。