「なぁ、浮田 真依子」
「わっ!」
びっ、びっくりした。
背後からぬっと出てきたのは毎度お馴染み星野くん。
「驚きすぎだろ」
「いや、びっくりするじゃん! いると思わなかったし」
あっ、星野くんがちょっとムッとしたような顔であたしを見た。
あれ、あたしなんか地雷踏んだ?
「いちゃ悪いのかよ」
「悪いなんか言ってないでしょ。びっくりしたって話だよ」
星野くんってば何をプリプリいらいらしているのか。
「で、どうかしたの?」
面倒な時は話を逸らすに限る。
だって、いらいらする為にあたしのとこへ来たわけじゃないんでしょ?
「いや、いい。またにする」
「えー、何でよ。気になるじゃん」
「話す気分じゃなくなったから。じゃな」
はぁー?
自分だけ言い切った後、あたしに背を向けて教室を出て行こうとする星野くん。
全く意味がわからなくて、あたしはポカンと口を開けたままで彼の後ろ姿を見送った。
……なんなの?



