「俺部活してるから甘いもん飲みたくなるんだよね」

「ああ、古柳くんってサッカー部だっけ?」

「そうそう。そういう浮田さんはなに部だっけ?」

「あたしはバド部」


と言っても結構サボってるんだけど。

中学の時みたいに本気の集まりじゃないし、先生も緩いから結構融通きいてる。

バイトしながら部活してる子もたくさんいるくらいだし。

高校の部活は楽でいい。


「いいなぁ、インサイド」

「冬はね。でも夏は地獄だよ。蒸しブタの気持ちが分かる気がするもん」

「あははっ! 蒸しブタとかやばいね。でもさ浮田さんは太ってないでしょ」

「出てるとこは出てるんだよ。ダメな意味で」

「ダメな意味ってなんだよ」


そう言いながら笑ってたくせに、古柳くんはちょっと冷静な顔をしてあたしの顔から下に視線を向けた。


「……でも、そうかも」

「ちょっ、マジマジと答えないでよ。それはただの失礼だからね」

「あははっ、怒んないでよ。浮田さんから先に言ったんじゃん」

「自分で言うのはいいの。むしろ乙女は否定を求めて言ってるんだからね」

「あはは、乙女ね。分かった分かった、次からそうする」


あたしは腰についた肉を憎らしく思いながらつまんだ。

……マジで痩せなきゃ。