「噂に、なってるよ」
あたし、笑えてる? 上手く表情作れてる?
今にも泣き出しそうなのを堪えるので精一杯だ。
本人から事実を告げられるのってこんなにキツイものがあるなんて……。
土曜日までは楽しかったのになぁ。
その前だって、退屈な授業中ですら楽しかったのに。
こんな事なら、好きになんてならなければよかった。
「……じゃあね、バイバイ」
あたしはそう告げて、再び歩きだす。
立ってるのがやっとだ。
歩くのはもう根性でなんとか足を動かしてる。
そんなあたしの背中に向けて、星野くんは再び言葉をかけた。
「……ない」
小声過ぎてなんて言ってるのか分からないけど、もうこれ以上聞く必要もない気がして、あたしは足を止めない。
すると、もう一度星野くんの言葉があたしの耳を掠めた。
今度はさっきよりも大きな声で、あたしにまで届いた。
「……まだ、付き合ってない」



