……なんて、そんなくだらないやりとりをしてる間に、あたしの手はホカホカになった。
見事カイロの役目を果たしてくれたコーンポタージュを飲もうとしたら、プルタブが開かない。
カツン、カツンという音を立てて缶と戦うけど、上手くいかない。
そしたらまた、そんなあたしを見て星野くんはケラケラと楽しそうに笑ってる。
「浮田、それマジでやってんの?」
「うっさいな。昨日ちょうど爪切っちゃったんだよ」
なんなら深爪。そのせいでプルタブ持ち上げるのも痛いし。
でも、普段からできないなんて思われたくない。
そんなひ弱キャラ、なんか狙ってるように見えるじゃん。
男子にやって貰おう、か弱く可愛く見てもらおう……っていうぶりっ子みたいに思われるのはシャクだ。
「貸してみ。開けてやるよ」
「いい、自分でできるし」
「できてねーから言ってんだろ。いいから貸してみろって」
するりと長い手があたしの方へと伸びてくる。
けどあたしはその手を拒否して、星野くんにくるりと背を向けた。



