「あっ」
その声にあたしは顔を上げた。
あたしは古柳くんと約束の昇降口で彼を待っていた。
そしたらやって来たのは、星野くんの方。
「お、お疲れ」
何となく気まずくて、あたしはどもった。
「おう……浮田は今日も部活、出てたんだ?」
「うん。ダイエットしてるから」
「相変わらずだな」
星野くんはそう言いながら力なく笑った。
いつもよりぎこちなさを感じているのはあたしだけじゃなさそう……。
「帰んねーの?」
その質問はなんとなくして欲しくなかったんだけどな。
だってあたしがする返答は、今星野くんと感じている溝を更に広げるものになる気がするから。
「帰るよ」
それだけ言って、あたしはその場から動かない。
お願いだから、星野くん早く帰って欲しい。
そして古柳くんは星野くんが帰るまで来ないで欲しい。
そんな二股でもかけてるような感情を抱くあたしは、何者だろうか。
彼氏だっていないというのに、なぜこんな……。



