「バカが見る〜」
「……ひっ‼︎」
思わず叫びながら、首筋に感じた冷たさに思わず身震いした。
なっ、なに⁈
そう思って振り向くと、なにが楽しいのか星野くんがケラケラ笑いながらコーラを再び飲んでる。
徐々に状況が分かってきたあたしは、ほんのり濡れた首筋に手を当て、星野くんを睨みつける。
「冷たいじゃん! なにすんの!」
「悪い悪い。浮田の首筋が空いてたからつい」
悪いと言いつつ、まだ愉快そうに笑ってる。
冷たいコーラでほんのり濡れた手を振りながら笑ってる。
あの手があたしの首筋を冷やしたに違いない。
「まぁでも、寒いとか言いつつ髪が短い浮田が悪いな」
「なにそれ。じゃあこれからはもう切らない。伸ばすわ」
「マジ? でも浮田は今の髪型が似合ってると思うけど」
「いい。外敵から身を守る方が優先だから。本来毛とはそういうものだし」
マッシュヘアは気に入ってたけど、今日でさよならだ。
少なくとも冬にはこの髪型はしないって心に誓った。



