笑いながらポケットから小銭を取り出して宣言通りコーラを選んだ。
ゴトン、と音がしたと同時に、彼は取り出し口からジュースを受け取ってる。
そのままプシュって音を立てながら星野くんはプルタブを押し開け、ゴクゴクと喉を鳴らしながらそれを流し込んだ。
「かぁー! ウマい!」
「美味しそうに飲んでるけど、本当に寒くないの?」
あたしはコーンポタージュの缶を両手のひらで転がしながら、星野くんの飲みっぷりをじっと見つめてた。
そしたら、喉を潤わした星野くんが今度はあたしをじっと見つめながら眉間にしわを寄せた。
「そういう浮田は飲まねーの?」
「まずは手を温めてから。すぐに開けたら缶が冷えちゃうじゃん」
「ふーん。あっ!」
ん?
突然星野くんがあたしの背後を指差した。
男の子なのにピアノでも似合いそうな細い指が指し示す先になにがあるのかと、あたしはくるりと振り返った。
その時ーー。



