「はい、お金!」
今度ばかりは受け取って貰わなきゃ。奢って貰うばかりではさすがに申し訳ないし。
そう思って差し出したあたしのお金に視線を落とした星野くんは、一瞬何か考えるように表情が止まって見えたけど、すぐに顔を上げた。
「や、今日はもういい。奢ってやるよ」
「えっ? でも今日すでに沢山奢って貰ってるし……」
星野くんは前を向いてスタスタと歩いて行く。あたしの言葉なんかに耳を貸さないぞ、というような芯の通った様子だ。
それならば……。
「分かった。じゃあ今回はご馳走様! 次はあたしがゴチるね!」
だって、少なくとも来月にはデートするんでしょ?
あのアメコミ映画観に行くんだもんね?
そう思って言ったあたしの言葉すら無視してスタスタと歩き続ける星野くん。
なんなの? これも、ツンデレ?



