水玉模様

「…和奈姉って優しいね。」

「え…。」

工藤瞬は急に笑顔になると、

「だまされた?ヘーキっすよ?」

って、歯を見せて笑った。

「もぉッ、工藤瞬ッ!」

「あはは!和奈姉は何着ても似合うから、俺気にしないもーん。」

「…。」

そーゆう事を、さらっと言わないでよ…。

だいたい、学校の制服と今日の格好しか知らないくせに…。

「よしっ、じゃぁ行くか。」

生輝くんの言葉で、あたし達は花火がよく見えるという丘に向かって歩きだした。

丘までの道には、屋台が立ち並ぶ。

「……。」

仕方ないか…。

あたしの隣には、工藤瞬。

その前には、あやねと生輝くん。

この並びは仕方ない、うん。

とりあえず、心の中で自分を納得させた。