「あ、生輝じゃん!あやねセンパイも。おつデス!」

「おつデス、じゃねーよ!せっかく俺がセッティングしてやるっつったのによー。勝手に動くんじゃねーよ!」

…セッティング?

「だって、待てなかったんだもん。」

工藤瞬は、子供みたいに口を尖らせていた。

あたしとあやねは話が読めなくて、顔を見合わせていた。

「生輝、どーゆうコト?」

あやねが不機嫌そうに聞いた。

「あ、いや…。黙ってるつもりはなかったんだけどさぁ。」

「で?」

「瞬が瀬口姉のコト好きだって言うから、俺協力したくて。この前連れの話聞いてた、ってのもコイツの事。」

「ふーん。何であやねにまで黙ってたの?」

「だってあやね、瀬口姉に言うでしょ?」

「ゔー。」

図星という表情を見せたのは、もちろんあやね。

「で、瀬口センパイ!考えてくれました?」

工藤瞬が、話題を変えた――…。


葉が、ゆっくりと枝から離れ…地面に近づいていった―――。