そう言ってくれたあやねに、完全に甘えてるあたし。

篠田くんに会う時は、あやねにアリバイ協力してもらうことになった…。

ダメだとわかっていても、止められなかった。

抑えていられなかった…。


充也は篠田くんから話を聞いてるんだろう、ふとした時に話題になる。

「ウダウダしてんなよな、らしくない。」

「うるさいなぁ。考えてないわけじゃないもん。」


うん、考えてないわけじゃない。


でも…なのに……考えれば考える程、絡まる思考回路。


《バイト終わったら、少し会えない?》

《うん。》

ゴールデンウィーク、瞬と会わない日は、篠田くんと会うーーーそんな過ごし方をしていた。


篠田くんの笑顔に、篠田くんへ向ける笑顔に、少しの罪悪感を覚えながら。

でもあたしには、篠田くんに聞けないことが、1つだけあった。

決してそのことを口にはしない篠田くんに、あたしは入り込む隙間を見つけられないままでいた…。