それは、あたしが篠田くんを想っていたというーーー証…。


そして…スマホカバーの裏に貼ったプリクラも、剥がせずにいた。

あの日、篠田くんと充也と3人で撮ったプリクラ。

それは、唯一残った痕跡…。

未練がましいかな…。

それでもあたしは、ほぼ毎日瞬といることで、瞬があたしの中に“1”入ってくる度に、篠田くんを“1”追い出していった…。

瞬と付き合いながらも、心の中は中途半端なまま…。

色んな想いの詰まった丸い水玉達が、ふわふわとシャボン玉みたいだった…。

早く、瞬でいっぱいにしたい。



「ん~ッ、最っ高!」

「あやね、そんなにはしゃぐとコケるよ。」

あたし達2年生は、予定通りの修学旅行ーーー京都に来ていた。

10月も下旬、てか11月になろうというのに、今日は比較的あたたかい。

2泊3日の修学旅行、初日はあまり時間もない事から、有名な日本庭園を見てまわり、早々と宿に着いた。