あたしと瞬は、毎日一緒に登下校した。

メールも、毎日した。


『少しずつでもいいから、俺のことを好きになっていって欲しい。』

瞬の気持ちに、応えたくてーーー。

でも何だか、あたしが瞬に受け入れてもらったみたいな気分。

あったかくて、優しくて、楽しい…。

その全てに…癒されていく。

あたしの中に溜まっていた粒々が、少しずつ吐き出されていくようだった…。


嫌がらせも、瞬のおかげで無くなった。


「瀬口いつの間に⁈超ビックリだよ!」

あやねと生輝くんは、まさかって顔だった。

「ん~…ちょっとね、色々あって。」

…ってはぐらかしてばっかりのあたしに、やっぱりあやねは『ズルイ』って言うんだけど。


これでいい…。

後悔なんか、しない。


篠田くんとの繋がりを絶たなきゃと、ケータイを変えたタイミングで、番号も変えた。


でも、それでも…。

ケータイの中にある篠田くんの番号までは、消せずにいた。