「先生は何にも悪くないよ」
「そんなこと誰でも分かってる。でも咲久也くんはそれが分からないほどに辛かったんよ。それからはこの町には来んようになってね。……学校の先生にねぇ、そうねそうね」
おばさんは涙をふきながら、安心したようにしみじみとため息をついた。
「おばあちゃんが咲久也先生を守ってくれたんだね」
「そう。松子さんは本当に立派な人だったんよ」
おばあちゃんがわたしの大切な人を守ってくれた。
そしてわたしたちに自分の人生を歩くことを、冬の向こうには春が待っていることを気づかせてくれた。
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