「電話ってなに? 」


詰め寄るわたしに、妙子おばさんは観念したように大きく息を吐いた。


「美桜ちゃんが来る前には玉緒ちゃんから『よろしくお願いします』って電話が絶対にあるんよ」


なにそれ?
あの人がいつも頼んでいたってことなの?


「待って、……じゃあお正月のことは? 」

「……玉緒ちゃんが来ないことは初めから知ってた」


嘘をついていたのはわたしなのに、妙子おばさんは遠慮がちに小さな声で教えてくれた。

じゃあおばさんは、あの人とわたしの関係が良くないことをずっと知ってたってこと?


これまでに何度もおばさんに嘘をついていたことが恥ずかしいし、情けなくなってくる。