『桜の君、花びら占いを教えてさしあげましょうか? 』 『……うらない? なぁにそれ?』 首をかしげるわたしに、おばあちゃんは優しい微笑みを浮かべている。 『心の中でお願い事をしてごらん。そしてね、降ってくる桜の花びらを取ることができたら、お願い事が叶うんですって』 『ほんとうに?……やってみる!』 わたしの願い事はたった1つ。 ― おかあさんもいっしょにくらせますように