強くて激しい風、それでも優しく包む春の風。 彼女達の背中を押すように吹いていく。 まだ決して大きい背中ではないけれど。 急な坂道だってことも、走り疲れたなんてことも、今日が小学校最後だってことも忘れ去る、無邪気で柔らかい風。 そんな風に包まれた今日のことを、彼女達はいつの日か、思い出すのかもしれない。 今はまだ、透明な春の優しさに気づかないままで……。