「助けて…助けて…」 少女の声だろうか。とある一軒家の燃え上 がった火の海の中を俺は探索する。消防団 員になり1年目の俺は初めての現場だった。 「助けて…助けて…」 まただ。さっきよりも大きな声。すぐ近く にいる。早く助けないと少女は助からな い。俺は叫んだ。 「君はどこにいるんだ!助けに来たから返事をしてくれ!」