「海に来てどうすんだよ?」


そう、俺が来たのは……


前に身を投げた崖だった。


「てかここ、昔よく来たなぁ…懐かしい!」


健太郎が伸びをした。


「懐かしい…だろ!なんとなく来たくなって」


「サボって来るところか?」


健太郎は笑っていた。


「たまにはいいだろ、親友」

俺も笑った。


まだ時間は昼時。


俺は地面に座った。


「あーー。このまま時が止まってくれたらな…」


そして大の字に寝転がった。


その俺の隣に健太郎が座る。


「今止まったら、大人にはなれねぇぞ」


「なりたくねーよー!!!

このまま、俺たちは子供でいたい。

なにも考えずに……いつまでもお前と馬鹿してたい」


そんな俺の言葉に健太郎は笑った。


「大人になったっていつでも馬鹿できるさ

俺もお前も…俺たちの関係も、永遠に変わらない」


健太郎……



「そうだろ?大人になっても離れても一緒に馬鹿しよーぜ。

どうせ喧嘩してもすぐ戻るんだから」