「あ!」 そのとき、日和が声を上げた。 「なんだよ」 「お金下ろさないとないんだった。 コンビニで下ろしてくる」 そう言って、道路を挟んで向こうに見えるコンビニを見た。 「いや…別に俺出すけど」 「いいのいいの。 ちょっと待ってて!」 日和は俺の言葉を聞かず列を抜け走り出した。 わざわざ行かなくてもいいんだけどな。 まあ日和が戻ってくる頃には入れそうだし。 そう思って日和から目を離し列の先頭を見た。 そして腕時計を見る。 5時10分。 かなり待ったがあと少しだ。 そう思った時だった。