遠くから、足音が聞こえてくる。 忍者の耳にも届いたようで、忍者はニヤリと笑った。 忍者の右耳についているドクロのピアスが、一瞬だけ光る。 脳内に、時計の針が――カチ、カチ、と動く音が鳴り渡ったのは、気のせい? 「羽留!」 さあ、役者は揃った。 忍者が待ちわびたこの日の結末は、誰にもわからない。 ついに、魔の手によって幕が上げられ、この危険が溢れる場所で、闘いが始まろうとしていた。