二人は机をくっつけて食べ始めた。

「そう言えば、まだ自己紹介してなかったよね。私は桐谷結(きりたに ゆい)て言います!よろしくね!」

「わ‥私は橋村花音です。よろしくお願いします。」

「かたいかたい!!もっとやわらかく行こうよ!私のことは結て呼んでね。橋村さんのことは花音て呼ぶね!」

「うん!よろしくね結ちゃん!」

「私たち今日から友達ね!」

「友達?」

「うん!私ずっと花音と話してみたかったんだけどさ、みんなが近寄らないからなかなかしゃべれなかったんだ。花音て天才ピアノ少女なの?」

「う‥うん。でも、私は普通に接してほしいんだ。みんな私に怪我させるとダメだから近寄らないから。」

「そっか‥。私、近寄らない方がいいかな?」

「‥そんなことない。自分のことは自分で守るから、だから話しかけてきて。」

私は懇願していた。今まで友達ができたことなんてなかったから、友達がほしかったのだ。

「わかった!じゃあこれからもそうするね!」

そこまで言った時だった。

ガチャ! また音楽室のドアが開いた。

「橋村!今日も来たぜ!」

そう言って現れたのは笹川くんだった。

「あれ?千明!どうして、ここに?」

「えっ!?結こそどうしてここに!?」

結ちゃんも笹川くんも驚いているようだった。

「‥ていうか花音と千明てどういう関係なの?」

「私と笹川くんはただじゃべるだけの関係だよ。」

私の言葉に笹川くんうなずいた。

「そうそう!ただのじゃべるだけの関係!‥てことで結、このこと誰にも話すなよ!」

「話すわけないじゃない!こんなところいっぱい人が来られても困るし。」

「えー、そこかよー。」

笹川くんが脱力した。

「あんたこそ、花音に手をだしたら許さないよ!今日から花音と私は友達なんだから!」

「えっ?橋村、友達できたのか!?よかったな!!」

「う‥うん。笹川くんありがとう!」

「ちょ‥ちょっと、私の話聞いてる!?」

音楽室に3人の笑い声が響いた。

こんなにいい友達ができたのは全部、笹川くんのおかげだよ。ありがとう。笹川くんの言う通り、私と話したいと思ってる人て他にもいるのかもしれないね。

もうすぐ夏が始まります。