紬ぎ、紡がれ、君に恋して。



「じ、じゃあ!これからイチョウの森公園での強化自主練習会を始めます・・!」


「いえーーい」

「・・・。」


「えっと、アップは必要ですか?」


「いや、さっき散々走ったからいいよ。誰かさんのせいでね☆・・いてっ!?」

七瀬先輩が秋月先輩のスネを蹴る。


私は思わずふふっと笑ってしまった。





まずは軽くストレッチをして、そして練習開始。



「えっと、実はそれぞれメニューを考えてきたんです。」


「おっ、助かる。どれどれ?・・・おっ、さすが。俺の苦手なところ把握してんじゃん。エスパーかよ!!」





「七瀬先輩のはこっちです。二人とも、変えたいところがあれば好きに変えてください、あくまでもオリジナルメニューなので・・。」



「いや、俺はこのメニューでいくよ。ほんと敏腕マネージャーだよ。お前。」


秋月先輩は素直に褒めてくれた。


「七瀬先輩は変えたい箇所とかありますか?」



「あー・・この3番、俺今日の部活で左足痛めたからきついかも。」




「あっ、すみません。じゃあ、左足を使わない・・・このメニューでどうですか・・?」


「・・・大丈夫そう。」



七瀬先輩が今日の部活で左足をあまり動かしていなかった理由ってこのことだったんだ。もっと早く気づいてあげるべきだったな。そうすれば手当てできた。

そして気づいた。まだ私は敏腕マネージャーなんかじゃ、ない。
さっきの先輩の言葉は嬉しかったけど私はさっきほど素直に喜べなかった。


これに関しては、男の子は我慢をする生き物だってコーチも言ってたし、観察力を高めるしか術はないよね・・・。



「もう始めようぜー。鈴宮さん、タイマーお願いー」


「あっはい!・・・あっ、七瀬先輩。本当に痛かったら無理しないでくださいね!先輩は大事な試合を控えてるんで怪我は禁物ですから!」




「・・おう。」





ピッ!タイマーをスタートさせる。





すぐに先輩たちはそれぞれのメニューに熱中し始めた。