紬ぎ、紡がれ、君に恋して。



翌日の昼休み、私と夏希は決意をしたので先輩の教室に向かった。


ゆらは最初は驚いて「あんたもあっち側のキャパキャパした人間だったのね・・」と一瞬引かれたが、そうなった経緯について明かすと、少し涙目で「可哀想・・ほんっとにいつも紬がかわいそうな目に遭って・・はあ、同情しても辛くなるだけだろうから・・負けないでね・・部の仕事押し付けられたりしたらすぐに呼んでね、殴りこみに行くから。」というリアクションの返しようのない言葉をもらった。





そしてゆらは残念なことに学級副会長に選ばれてしまったらしく、初めての学級委員会に出席するために今はいないのだ。




私と夏希は移動教室以外の目的で二階を訪れるのは初めてだ。


二階に着くと、昼休み中なので多くの先輩が廊下や教室でおしゃべりしたり弁当を食べていたりしていた。





「えーっと・・・先輩のクラスは5組だからー・・・ここだね。」

私たちは5組の前で立ち止まる。教室のドアは前後両方閉まっていて、先輩の確認もできない。・・・どうやって先輩を呼べばいいんだろう・・。

夏希も同様のことを考えていたらしく、思わず二人顔を見合わせる。






その途端、ガラッと勢いよく教室のドアが開いた。



茶髪のストレートでサラサラな髪を肩まで伸ばしている女の子。目つきは悪そうに見えたけど、顔立ちが整っていてかわいいというより綺麗だと感じた。


その先輩は私たちの制服のリボン(学年ごとに色が違う)をまじまじと見て確認し、そのあと名札を見て再び教室の中に入っていった。





反応に困り、夏希と謎の見つめあいをしていたら再びガラッとさらに勢いよくドアが開いた。



思わずびくっと肩を動かしてしまう。




「ああ、ごめんごめん。この教室厄介だよね。中も見えないし・・。」

秋月先輩がやけにハイテンションで話しかけてきた。




「あ、えっと私たちはマネージャーの件についての報告に来ました・・。」


にまーっと秋月先輩の口角が上がった・・・ような気がした。



「・・・まあ、もちろん結果はわかってるつもりなんだけど。一応教えてもらえる?」

どんだけ腹黒で性悪なんだと怒りがこみあげてきてマネージャーを断ろうかと思ったが、ややこしいことになりそうだったから止めておいた。



「・・私と夏希はサッカー部のマネージャーをやらせていただきます。」


その途端、ふっと笑い声が聞こえたような気がした。


「オーケー。わかったよ。顧問にも話しつけてあるし、明日の部活から参加してもらって結構だからね。」

そう言って秋月先輩は教室に消えていった。