教室に戻ると、案の定2人が私のもとに駆け寄ってきた。
「ねえ、手紙の主は誰だったの?」
「ねえ、もっと大金くれやって請求されなかった!?大丈夫?」
「手紙の主はね、秋月先輩だったよ。あと、告白じゃなかったよ。もちろんカツアゲでもなかった。」
私の報告を聞いて2人は安堵のため息をこぼす。
「なんだ。ならよかった。」
ゆらが安心そうに言った。
「何言ってんの!?まだ終わってないわよ!」
すかさず夏希がつっこみに入る。
「どうして学校二大イケメンの一人に呼び出しされちゃってんのさ!なんか知り合いみたいだしさ!なんなの?幼馴染ですかっ!うらやましいなあー。」
幼馴染・・・?
夏希の発言を聞いた途端、頭の中に懐かしい映像が流れ込んできた。
近所の公園の砂場で幼い私と一緒に遊んでいる男の子。
さらさらとした髪とくりくりとした目が印象的なかわいい男の子。
その男の子は私に何か言っている。それを聞いた私は俯く。
そこで脳内の映像がプツンと途切れた。
「・・・いや、幼馴染ではないと思うよ・・・。」
「え、ちょちょちょ、何いまの謎の間!怪しすぎるんですけど!」
そう夏希が言った後、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
生徒たちは皆、自分の席に戻っていく。
そして私も席に戻る。
”幼馴染”って聞いた途端に脳内に浮かび上がってきた懐かしい映像。
その映像は多分私が幼い頃体験したこと。
遠い昔のあの日、私は公園の砂場で男の子と遊んでいた。
あの男の子は誰?
あの映像は何を意味していたの?
あの時の2人は何の話をしていたの?
頭の中がどんどん黒いもやに包まれていく。
私はとっさに首をぶんぶんと振った。
これ以上考えてたら、午後の授業に集中できなくなっちゃう。
私はさっきのことは水に流すように忘れ、授業に取り組んだ。

