紬ぎ、紡がれ、君に恋して。



人の邪魔になりそうだったから、私たちはそのまま歩き出した。





「先輩はフェイントが得意なんですか?」




「いや、俺はフェイントよりも足の速さが持ち味だから。まあ、桜丘自慢のフェイントの使い手なら別にいるけど・・・知らないの?」




「はい・・・お恥ずかしながら先輩が桜丘の疾風って呼ばれていて人気者って知ったのが今日でしたし・・・」




「ふーん。ていうか、前から思っていたけど、桜丘の疾風って名前がオーバーな感じがする。」




「そうですかね?私はグラウンドを誰よりも速くボールとともに駆け巡る先輩の姿にぴったりだと思いますが。」




「ほんと口がうまいヤツだなお前。」



「こういうのは慣れてますから。」




「へー。ってことは心底どうでもいいのな?」



「いやいや!別に、そんなことないですけど・・・。」


「ははっ、何なのその慌てっぷり。」



イチョウの森公園が見えてきた。




そろそろお別れかなと思ったとき・・・。