「あっ!今から試合するっぽいよ!」
夏希に声をかけられ、再び視線をグラウンドに戻す。
心地いい春風がグラウンドの砂をさらさらと運んでいた。
離れたところから聞こえてくる監督かコーチの指示に耳を傾けてみる。
どうやら、8対8のミニゲームをするらしい。
しばらくすると、ビーという甲高いホイッスルが響いた。
試合開始の瞬間、中央にいた人たちが一斉に決められたポジションに散っていく。
ボールを持った人を追いかけながら皆、一生懸命に声を出していた。
今、ボールを持っている人は多分三年生だ。
私はその三年生の姿を懸命に追った。
「あっ、紬っ・・・」

