「お願いなんだけどさぁ、俺……ずっとここにいてもいいか?」

「……はい?」



ずっとここにいてもいいか?

って……それって、黒羽くんと私が同じ屋根の下で生活するってこと?



「えぇええぇぇ?!」



なにそれ?!

なんなのこの展開?!



「だって、契約を果たすまで魔界には帰れないし。他に行くところないじゃん」

「それはっ……術者の次咲くんの家に行けばいいでしょ!」

「男の部屋なんかむさ苦しいだろ」



だからって……なんで私なの?

って、他に彼の正体を知っている人物はいないのか。



「俺だって早く魔界に帰りたいのは山々なんだけどなぁ。アイツが、一気に不幸のどん底に落とすんじゃなくて……徐々に奴らを不幸にしろって言うんだよ。面倒くさいだろ?」



アーラが示したアイツっていうのは、次咲くんのことだろう。

そして奴らっていうのは、イジメっ子達のことだ。



早く帰りたいけど帰れないアーラはかわいそうだけど……

「ごめん。やっぱりそれは……ちょっと……」