「よう!」

「お!」

家が近いこともあって店の前で会う。

「駅にも家にも近いからいいなここ」

「だろう?
俺もこの間開店したの見てさ、一回来たかったんだ」

「前はなに屋だったんだ?」

「うどん屋。その前はなんかの定食屋」

「結構変わってるんだな」

なかに入りビールを頼む。

そんなに手を加えたようには見えないので、
まえの人が綺麗に使っていたのだろう。

「普通に良い感じじゃないか?」

「そうだな。
メニューも他の居酒屋と変わらない気もするし」

「俺腹へったから、食いながらで良いか?」

「俺はつまみ系にするか。
枝豆と、この納豆の海苔揚げって何か食いたいな」

「俺、水菜のサラダと、刺し盛りは二人前で良いか?」

「あぁ。
米食えよ」

「それは〆で食う。
後、だし巻き玉子。
この、きのこベーコンも頼むか」

オーダーをし来るのを待つ。

「ここなら、みんなで来れそうじゃないか?」

「お前が引っ越してきてから、東西南北に綺麗に別れたからな。
中間で良いんじゃない?」

「後はお味だけど、枝豆とサラダだけじゃわからないか」

来た枝豆を見ながらひとつ掴むと、
ちゃんと両端が切られている。

「市川これ...
冷凍のじゃないぞ?

冷凍だとしても仕事が丁寧だ」

「ほんとだ。
ちゃんと中まで良い塩加減。
当たりだな!」