家に到着する。


ユカの家が営む薬屋は、実家とは別の場所にある。


僕も店舗の方には何度か行ったことがあるのだが、目薬を買っただけで大量の風邪薬をくれたり、姉や母の分だといって大量の『必需品』を渡されて、家に帰って、姉たちにどう説明すればいいのか困ったこともある。





殆ど話したこともない、あまり目も合わせてくれようとしない親父さん。


僕の話題になると、嬉々として参加するそうなのだが、僕にはその片鱗を見せてくれたことはない。


娘の同級生の男の子を、平気で家に上げるお母さん。


たとえ、夜中であってもパジャマであっても上げてくれる優しい人。


他にはユカの下の妹が2人。


彼女らは僕を遠巻きにするものの、あまり近寄って来てはくれない。


だけど、一定の距離を保っているところを見ると、その内、近づいてきてくれると思っている。