警察一家の娘恋した相手はヤクザの息子でした



一息ついてから辺りも薄暗くなっていたので、大和さんと駅まで歩いた。


「本当に家まで送っていかなくていいのか?」


もう少し一緒にいたかったけれど、もし彼と歩いているところを家族に見られたら根掘り葉掘りと聞かれてしまいそうだ。そうなると、私は絶対嘘をつけない。


「はい。ここまで付き合わせてしまったので、また明日お伺いさせていただきます。今日はここで大丈夫です」


「そうか……」



明日も会えるのに。
なんだかもう寂しい。



切符を買って改札口の前で、再び大和さんに頭をさげる。



「…今日はありがとうございました…また明日」


「ああ。転ぶなよ」


「大丈夫ですっ。足元気を付けます。」



手を振って切符を通そうとすると


グイッと腕を掴まれた。


「真子」


「あ、は、はい……」


思わぬ出来事についつい驚いてしまい目をパチクリさせる。



「……また明日も楽しみにしてるから。」



……楽しみにしてる?
大和さんは私に勉強を教えてくれているのに?



「……勉強教えるの好きなんですか?」


「……お前、ほんとバカだな。ちげぇよ……」


「あ、ご、ごめんなさい……」


「……らしくねぇことした。気をつけて帰れよ……」


「は、はい。」



スルリと手が離れたら、どこか虚しさが残る。
だけど切符を改札口に通して私は彼に手を振った。



「大和さんっ」


「…なんだ?」


「私なんてもっと楽しみにしてますからね…!!」



ニコリと笑えば、目を開いた大和さんが私から顔を背けて手をあげる。……こんなに勉強が楽しく思えるのは大和さんのおかげだって。伝えるには言葉足らずだったかな。


だけどまた言い直すのもおかしな話なので、そのままさよならをした。




「……ちっ。どうしたんだ。俺は」



……こんな風に教えてもらえるなら、自分の頭が悪くてよかったなんて言ったら絶対家族に怒られるよね。




明日も楽しみだな。