天満堂へようこそ -2-

「そうだな、約500だ。お前ここにいろよ?」と電話をかけ出す。
話しからするともちろんあの弁護士にだった。

「すぐに来る。ユーリあれを用意しておけ」

「畏まりました」

そう言いコーヒーの準備をしに作業部屋へ行く。

「おい、あれってなんだ?」

「後でわかる。よく見ておけ」

30分ほどで弁護士が事務所にやって来て、最初に店の権利やその他の手続きを行い全て元通りに戻す。
それが終わった所でコーヒーが出てきた。

「あ、有難うございます」

「でだ、この薬の売上はどこに行った?」

「もちろん銀行に」

「入ってないんだが?」

「え?まさか……坊ちゃんからお預かりして、あ、忘れておりましたー。事務所の金庫にそれはもう大事に」とひたすら汗を拭いている。
その後コーヒーを飲み、ふぅーっと1つため息をついた時に見せた結月のニヤッニヤッとした顔は忘れられない。

「店の売上もおかしいんだがな?」

「それは坊ちゃんに……」パラッ

「ほう?奏太は発注が主な仕事で会計士に任せてた筈なんだがおかしいな」

「ええ、そうですね、会計士に……」パラパラパラ

汗を吹く度、動く度に抜けて行く髪。
フサフサの髪はもう薄い髪に変わっていた。