天満堂へようこそ -2-

「あっそ」

「朝食と夕食は奏太さんの部屋で。魔界の方もたまには召し上がると聞いておりますので。しばらくは奏太さんは店。ルーカスさんと姫は事務所での仕事となります」

「なんでもいいけど、俺も働くわけ?」

「当たり前だ!なんだ?チラシ配りがやりたいのか?」

「ごめんなさい」

「まぁ、その内リアムも来るんじゃないか?来たら来たで儲かるが。じゃ、事務所に来てくれ」

「俺も?」

「そうだ」

あまり行きたくなかったがごねるとうるさそうだったので、隣の事務所にみんなで行く。
入ってすぐ、帳簿と売りきった薬の確認をさせられ、結月は何やら考えていたが、全く意味がわからない。

「奏太、金額覚えているか?」

「えっと、そこに書いてある値段表通りに売ったから、500万近くあったと思うけど。買いに来た人の記録も挟んである」

「妖精と、ゴブリンに閻魔の使い?あぁ、あの疲れきった顔した奴か……で?なんだこいつは。ろくろ首に一つ目小僧、玉藻前?何氏に来たんだこいつは!歯の痛み止め?馬鹿か!」また変なのがいっぱい来たなと楽しそうに笑っているが、そのときの俺は心臓が止まるかと思うほど焦っていたとは絶対に言えない。