天満堂へようこそ -2-

住宅街の中にある小さな公園。
排泄は済ませてきているし、頭の中で会話もできるから特に困ることはないが、リードを離して遊ばせてあげることが出来ないのが可愛そうだとは思う。

砂場に滑り台、小さなジャングルジムに鉄棒にブランコ。
どこにでもある公園。

「ここでは僕遊べるの?」

「ここでは離せないけど、近くだけで誰も居ないならいいかな」

「今いないから良い?」

「いいよ。でも、砂場まで行くなよ?」

「うん」

離すとやっぱり遊びたかったのか嬉しそうに走り回る。
この件が片付いたらまたドッグランに連れてってやろうと思い、心の中でムーに謝る。

暫くすると小さな子供連れの親子が来たのでムーを繋いで日向ぼっこする。
すぐに小さな子供がムーに気づき近寄ってくる。

「わんわんかわいいー」

「触らせてもらっても良いですか?」母親に聞かれたので、噛まないので大丈夫と答え、ムーにも目で合図する。