天満堂へようこそ -2-

「俺だって嫌だよ!何とかならないのかよ?」

結月は暫く考えた後、作業部屋に来いとみんなを呼んだ。

目の前には大鍋。周りの薬棚には複数の草や、乾燥した気持ち悪い色のトカゲのような物まで入っている瓶が沢山置いてある。
入る度に理科室のようだと何度思った事か……

「奏太、この石の中でお前がいいなと思うものを1つ選べ」

「前に見た石?」

「ドワーフが持ってきたものとは違うが、似たようなものだ」

どこからどう見てもただの石にしか見えないため、小ぶりなのを1つ選んで結月に渡す。

ほう……と一言いい、見てろと二つに割る。
ただの黒い石だ。

「これはまだただの石だ。肌身離さず1週間持っていろ」と半分を渡される。

「残りの半分は私が持つ」

「で、何がわかるの?」

「もし、この石がこのままならお前に魔力はないし、私の弟で無い確率が高くなる。が、同じ色になったらほぼ確定だ」

「では、この袋に入れてください。1週間開けないように」

渡された小さな袋に石を入れ、ジーンズのポケットに入れる。