天満堂へようこそ -2-

「姫と奏太さんは同じ血かも知れないということです。今からもう600年もまえになりますが、姫と同じ経緯で誕生した男児がいました。しかし、姫は幻界で育ち、男児は天界の方で隠れてお育ちになったとお聞きしています。ですので面識はございません。天魔界では、ずっと男児を探して居ました。ですがなかなか見つからず諦めていた時に、奏太さんが依頼に来られたわけです」

「じゃあ、婆ちゃんていうのは？」

「私に気付いていたと言っていた。最初は気にも止めなかったが、術が解けたとお前が来た時もしかしてとも思った。最近だ。お前の事が話題になり始めたのは……
天魔の王も連れてこいと言っている。
ルーカスとリアムは気づいているし、お前を連れていくつもりは無いと言っていた。

私も匂い消しは定期的に飲んでいて、コーヒーの香りでさらに誤魔化しているだけで、血に関してはお前と同じだ。身を守るしかない。」

「確証はないって……」

「まだな。確かめてないだけだ」

「違うって確かめてくれよ」

「もう少し待ってくれ。ここまで話すのも勇気はいったんだ……それに、お前が私の弟だと？まず私が信じられんわ！」