「姫、まさか洞窟の材料を使ったのではないでしょうね?」

「洞窟?」

「煩い!良いじゃないか!本の内容は頭に入っているし、失敗もしてない」

「ですが!」

「幻界に帰らせるぞ?」

「それだけは……折角また許可が出ましたのに!」

「あのー?洞窟とか何?」

「私が行方不明になった場所だ。そこは希少な材料と本の宝庫でな、行った場所が隠し部屋ならぬ隠し禁術部屋だったんだ。で、全部読むのに10日、材料集めに実験までして、帰ろうと思ったら出口がわからんくてな。ほとんど飯の確保と魔方陣書くのに手間取った。大まかに言えばそれがこの1年の事なんだが、薬に関しては骨を強化したりする薬はあるにはあったんだが、時間もかかるし痛いしいいこと無かったんだ。で、私が自ら薬を作って飲んだらこのとおり」と、また腕を振り回している。