事務所と部屋の掃除機かけや空気の入れ替えなどはたまにしているが、一年前を思い出すので中々最初は部屋にも入れないでいた。

結月の部屋の掃除は週二回。仕事が終わってからしていたので、そのまま店に出る。

「ムー、はいこれ」とジャーキーを渡す。

「食べていいの?」

「今度一緒に来てくださいって店員さんがくれたんだ」

「やったー!」

ムーを撫でていると、処方箋の事務の人鈴木さんが話しかけてくる。
鈴木ってまた簡単な名前付けたなと思って聞いたら、日本に多い名前と聞いたのでと教えて貰ったことがある。
見た目は40代に見えるが本当は幾つなんだろう?

「お弁当、冷蔵庫に入れておきましたので」

「いつも有り難うございます」

最初は断っていたのだが、結月が居なくなってから、食事が夜以外ファーストフードになってしまったため、ユーリさんから食事の世話も頼まれたらしく、お昼にお弁当を作ってきてくれる。