「まぁ、とにかくだ。俺はもう大丈夫だからこれを取ってくれ。リアムに話を聞きに行きたいだけだ。それに、お前の方は連絡はしたのか?」

「今起きたばかりでまだしてない」

「すぐにしろ!」

そう言われ、持っていた通信用の水晶で母を呼ぶと、何故だか奏太が出た。

「奏太!気付いたのか?」

「あ、うん。結月さんのお母さんがいて、そばにムーもいる」

「記憶は?」

「殆ど無いんだけど......閉じ込められたところまでかな?」

「今すぐにそちらに帰ることが出来ないんだ。お前はまず髪でも切ってさっぱりしろ!で、一杯飯を食え!」

「何で泣いてんだよ?あ、ムー待て!」

「姫ー。僕ちゃんと奏太くんみてたよ?ぷるぷるプリン作ってもらっても良い?」

「母に言え。作ってくれる筈だ」

わーい!と声だけ聞こえる。

「母よ、聞こえるか?」

「えぇ。ルー君はもう大丈夫なのかしら?天王から連絡があって」

「あぁ、元気なものだ」

「そう、なら結婚式は早めにしないとね?」

「誰がするか!馬鹿母!」そう言って帰るまでに奏太にしてほしいことを告げ通信を切る。