「姫、お顔を......」

「うん」そう言って最後だと思いルーカスの顔を見る。

はだけた胸には血と手術の痕。
その先には......

「え?」と言いユーリを見る。

「ですから大丈夫と申し上げましたのに」

もう一度見ると、ルーカスは目を開いていた。

「結婚、してくれるのか?」

「だ......誰がするか馬鹿者!さんざん心配かけやがって!絶対しない。するわけがない!___起きたならさっさと声をかけんか馬鹿者」そう言い抱きつく。

しばらくそうした後、ユーリには魔力が殆ど残っていなかったため、持ち合わせた点滴を打ち寝ているようにという。

気絶していた衛兵も起きていて、何故だか泣いていたようだが、きれいな布とお湯を持ってきてもらい、拭いてから消毒をし、包帯を巻く。
ルーカスもさすがに疲れきっている。そこまでしてやっと目を閉じたルーカスをきれいなベッドに寝かせてもらってから部屋を後にする。