天満堂へようこそ -2-

床に座り込みルーカスは床を叩き怒るが、想定内だ。

「ルーカス」

「なんで何もしなかった?」

「破壊するのは容易いが、目的はそれではない。あいつの甘いところは、私の魔法を全部知らないところだ。何のために一年も行方不明になってたか今思い知らせてやる」

「これどーすんだよ!炎とか効かないぞ?」

「ルーカス、変化しろ」

「やだ」

「馬鹿か!しろったらしろ!」

逆らっても無駄なので本来の魔界での姿に戻る。
形は人型だが、長く畝った角が頭から生え、口からは上下に長い牙。身長は変えず尻尾も出さない半変化となるが、髪は逆立ち見てくれは悪魔そのもの。

「半変化か、まぁいい。今からこの檻を壊すのに、人形では耐えれんからな。合図したら引きちぎってくれ」

「わかった」と弦の両端を持つ。
何やらブツブツと言っていると思ったが、段々と弦が熱せられた鉄のように柔らかくなっていくのがわかる。

「ちぎれ!」

勢いよく千切るとグニャりと曲がり、簡単に出られる隙間ができた。