「黒崎くんに連絡先を教えたのは、昨日の教え方がとても上手だったからです。
あわよくばまたお願いしようかと思って…

なので特別意味があるわけではありません。
利用できるものは利用する人間なだけです。」


私がそういうと


「はは、利用ね。」


と黒崎くんが笑った。


「はい。
なのでオチケンさんも、勉強を教えてくれるなら連絡先を教えます。」


「へー、すごい交換条件。
でもいいよ。俺は。

ゆっきーも聞いといたら?」


「じゃあ俺も聞いとこーっと。
万が一があるしな。」


「では、これが連絡先です。
名前を入れてメールを送ってください。

………あなたはどうするんですか?
桐谷隼斗さん。」


「………なんで俺だけフルネームなんだよ。
隼斗以外の呼び名は認めてねーから。」


「…では、隼斗さん。
登録するなら早くしてください。」


「………しかたねーな。
登録くしといてやるよ。」


そういって私の番号を隼斗さんも登録した。


「…………桜子ちゃん、俺は…?」


そうやって小動物みたいな顔をして大津くんがいうから、私はスマホを取り出して


「………メールしました。」


大津くんにもメールをした。


「うぇ!?まじで!?
やったね!!桜子ちゃんだいすき!!」


はいはい。