それから全体的にカットが終わると髪の毛になにか塗られて、洗われて、乾かされて、またなにか塗られて、洗われて、乾かされて、またカットされて、今度は顔を拭きだしたこの人…。


「あ、あの…」


「大丈夫大丈夫。俺に任せといてって。」


そういって今度は顔になにかを塗りだした。


「うわー、肌が若い。
いいなー、高校生か~。
快斗はやめて俺にしない?」


……なんなんだ、この人は。
兄弟そろって軽いのか。


「大津さん、弟さんからお届け物です。」


「あぁ、そこおいといて~。」


そういって置かれた紙袋。
大津くんからって…戻ってきたってこと、かな?


「あと少しだから、快斗に会いたいかもだけど我慢してね~」


「えっ…い、いや別に私はそんなつもりは…」


「え、そうなの?
つまんないなー。」


………って言われましてもね。


「ま、兄貴の俺がいうのもあれだけど
あんなんだけどいいやつだし、仲良くしてやってよ。
あいつが女の子をここに連れてきたのだって初めてだしね。」


………初めて、か。


「あ、笑った。
やっぱり嬉しいんだね~。」


「え!ち、ちが…」


「まぁまぁ
素直になりなって。」


………なんか、からかわれてないか?
子供扱い感が………