「とにかく、俺は悔しいんだよ。
俺らさ、暴走すんのはいつも海とか山とか人が少ないところじゃん。
街中なんて選ばねーじゃん。
迷惑にならねーように心掛けてきたじゃん。
………なのに、他の族に一緒にされて悔しくねーのかよ。
無事故で人跳ねたことなんか一回もないブラックスパイダーが、他の族と一緒にされて悔しくねーのかよ、お前らは。
隼斗は恥ずかしくねーのかよ。
人殺しと同じ考えで。
………俺は絶対嫌だね。
俺はブラックスパイダーに誇りをもってんだよ。
なのに他のクソみたいな族と一緒にされんのは絶対嫌なんだよ。」
他のやつにどう思われたって別にいい。
………だけど、桜子ちゃんにだけはわかってほしい。
俺は、半端な気持ちでここにいるわけでもないし
こいつらだって半端な気持ちで族をやってる訳じゃない。
俺らは誇りをもってブラックスパイダーの旗を掲げているんだって。
「とにかく快斗、あいつまた連れてこいよ。
俺あいつの連絡先まだ知らないし~。」
「はぁ!?
オチケンが桜子ちゃんの連絡先知るなんて1000年はえーんだよ!
俺ですら知らねーのに!!」
「え、快斗知らねーの?」
「………蓮はなんでそんな驚いてんだよ。」
「いやだって俺には教えたから。」
「はぁ!?は!?
え、なんで!?」
「いや、さっき英語やってるときに俺の連絡先書いた紙をおいたらあいつも連絡先書いて俺にくれたんだよ。」
………なんでだよ。
なんで蓮なんだよ。
ずっと好きだって言ってんのは俺じゃん。
「………泣きそう。」
「キモいから外で泣け。」
なんで蓮なんだよ………