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「出来ました。」


「はい、確かに。
じゃあ座りなさい。ご飯にしましょう。」


「うん。」


23時過ぎ、私はようやくご飯を食べることができる。
たった一人、私は冷えきったご飯をただひたすら口に運んだ。


「……ごちそうさまでした。」


「桜子。」


「はい。」


「来月、高校でもテストがあるでしょう?
それは全教科満点を目標に頑張りなさいよ。
秀明学園のレベルなら、それくらいしてくれないとお母さん、悲しいからね?」


「…………はい。」


「もう二度と受験には失敗しないでちょうだい。」


………受験が終わって2ヶ月
私はまた、受験のことを考えなければならないんだ。


「まあまあ。
秀明学園もかなりレベルが高いじゃないか。」


「お父さんは桜子に甘いのよ。
小学校、中学校、そして高校までも名堂学園の受験に失敗するなんて…

もう私の期待を裏切らないで。」


「…………はい。」


母は、国内トップの名堂学園にずっと私を入れたがった。
富も豊か、勉強のレベルも高く、気品漂う学校だ。


「全く、名堂に入れれば女としての魅力向上にも繋がるのに。」


そして母は、私の見た目も気にくわない。
洒落っ気のない、野暮ったい私を見ていつもため息を吐く。


学力と愛嬌、美貌
全てを完璧にこなさせるのが、私の母だから。


「…………なに突っ立ってるの。
早くお風呂に入って勉強しなさい!」


「はい。」


自分が完璧にこなしてきたから。