暴走族に恋をする。




「ほんと俺、バカで短気で嫌んなるよな」


桜子ちゃんはいつだってまっすぐなのに。
こんなにまっすぐ俺を大切にしてくれてんのに。

どうして俺、桜子ちゃんのこと疑ってばっかいたんだろ


風間にも、さんざん言われたのに……


「…でも、たまにこうやって喧嘩すると
快斗に愛されてるなーって実感する」


「…なにそれ、可愛すぎなんだけど」


照れ、もあるけど
こんなにまっすぐな桜子ちゃんを見ることがなんかできなくて
曲がってばっかの俺に、桜子ちゃんを見る権利があんのかわかんなくて
ずっとずっとうつ向いたまま。

……なのに、桜子ちゃんはすぐ俺を誘惑する


「快斗…
ごめんね?」


俺の腕を握って、そんなことを言う。
こんな愛くるしさいっぱいの桜子ちゃん、なかなか見ることができないから
俺の顔がどんどん緩んでいく


「……俺こそごめん
疑ってばっかで…」


「……別れない?私と」


そんなこと聞かれて思わず桜子ちゃんの顔を見たら、桜子ちゃんはまだ不安そうな顔をしてて
そんな顔を見たら俺の眉がどんどん歪んでいく


「俺だって別れたかったわけじゃねぇよ、バカ」


別れる、なんて口にしなければよかった。
そんな簡単に言っていい言葉ではなかったのに…


「…バカで、ごめんね」

「どんだけ好きだと思ってんだよ」

「……それ言うなら
私だって、快斗のこと大好きだよ」


"だいすき"

そんな言葉、滅多に聞けないから
俺の顔はボンっと爆発。

赤通り越してたぶん黒い。焦げた。


なんなの、この女。魔性かよ、くそ。
なんでこんなかわいいんだよ


「…キス、していい?」

「え、やだ」


・・・がーん。
この雰囲気で、まさかの拒否。

桜子ちゃんらしいわ……


「あ、ちがくて……
私、昨日からお風呂も入ってないし歯も磨いてないから汚いし…」


……なんだ、そんなことかよ


「んなこと、気にするわけないじゃん」


そういって思いっきり引き寄せて、ハグとキス。
まじで、めっちゃ久々。


「んー、幸せ~。」

「……でも快斗、今日夜まで大学じゃなかった?」

「今日はいいや。サボろっと」

「え、ダメだよいかなきゃ」

「えー。だって桜子ちゃんと一緒にいたいし」


なんて、俺は桜子ちゃんを抱き締めたまま離れる気なし。
無事仲直りってことで。


「……あの、じゃあ
私一回帰ってお風呂とか入ってくるから

そ、そしたら…また、来ていい?」


「え、夜来るってこと?それ」


「……うん」


まじ、かよ……
お互い一人暮らししてもなかなか部屋で過ごすことなんかなかったのに……