一人で強がるなって
崩れ落ちそうなら支えるからって
二人で一つになったっていいんだって

全部全部、快斗が教えてくれたことだもん。

次は私の番だよ。
私も快斗を守れるくらい、強くなるんだ。


そうやって支えて支えられて生きていくしか、私たちには残ってないんだもん。

絶対に一人じゃ生きていけない。
自分が崩れ落ちないように生きていくことがどれだけ過酷で、どれだけ虚しいことかって
私は身をもって知ったから。


誰かに寄りかかる覚悟と、誰かと向き合う覚悟と勇気さえあれば…ね。


「ん~、こうしてるとリハビリ行くの嫌になる~。」


「じゃあ離れる。
はい、立って。」


「……急にいつも通りか…
でもいつも迎えに来るよ。」


「っていうか快斗歩いていくの?」


「そこの車イス。」


「なら私が押すから行こうよ。
私も行ってみたい。」


と、私はすぐに車イスを運んできて、快斗を支えながら乗せた。


「よし、行こ。」


「なんか桜子ちゃんのがヤル気満々だね。」


「だって快斗と早く学校いきたいもん。」


「……はぁ…可愛い彼女を持つと苦労するわ…」








そしてこのあと、快斗は散々わがままをいい散らかし
抜糸も終えて痛み止めも錠剤で済むとか言って

翌日曜日、無理矢理退院した。