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「ただいま。」


「おかえりなさい。
今日塾のテスト、返ってきたんでしょう?」


「うん。」


22時半
帰って早々、母は私にテストの結果を聞いてくる。

そんな母に、まだ玄関だと言うのにテストの答案を渡し、私は靴からスリッパに履き替えた。


「1つミスしてるじゃない。」


「………ごめんなさい。」


「こういうミスは、受験にも、就職活動にも、仕事にも影響してくるんだから。

ちゃんと自分で正しい答えが出るまで部屋でやってきなさい。」


「はい。」


そして私は部屋にこもり、ミスしたところをひたすら解く。
テストが全て正しい答えにならなければ、私は部屋から出してもらうことも、ご飯を食べさせてもらうこともできないから。


「桜子、おかえり。」


「…………ただいま。」


そして、そんな厳しい母とは正反対な、昔から優しい父。


「お父さん、桜子は今から勉強するんですから邪魔しないでください。

桜子も早く部屋に行きなさい。」


「はい。」


母には決して逆らえない。


私は、母が…怖い。