……しかも今日勉強してないし…
大丈夫かな、私……

また楽しい方に流れていったりしないかな…


「桜子ちゃん?どうかした?」


私の右手を握り、暗い外を歩きながら快斗は私の顔を覗いてくるけど…
なぜ、快斗がそんなに不安そうに聞いてくるの?


「……たいしたことじゃないよ。
今日は勉強してないなって思って…」


「え、不安?」


「だってまた勉強しなくなったら思ったら…」


「大丈夫だよ。
それなら明日は昼休みでも勉強しようよ!
俺付き合うよ?勉強してる桜子ちゃんも好きだから!」


「……ありがとう。」


そう、だよね。
この人たちがいるんだもん。

1日くらい、いいよね…?


「ん、それで思い出した!
桜子にこれ作ってきたんだよ~。」


「え?」


そういってオチケンさんのカバンからは、ひとつの…単語帳?

めくってみるとそこにはいきなり"紀元前131世紀"と書かれていた。

そしてその裏には"縄文時代"と、小さな文字で新石器時代がなんとかかんとか…と。


「日本史ってのは物語で覚えた方がいいから。
そこらへんはたぶん知ってるところだろうけど、ひとつひとつ順番でな。」


「え、わざわざ作ってくれたの?」


「細かいとこの説明は聞いてくれないとだけど、テストはそれさえ暗記しときゃ大丈夫だよ。

あとは知識つけときたいならまた聞いてよ。
もうすぐテストなんだろ?」


「……ありがとう!」


やっぱ見た目がまともな人は違う。
こっちから頼む前にこんなことしてくれるんだもん。

さすがだ。